「メランコリー型うつ病」の場合は、休養と服薬を中心とした治療により、症状は徐々に回復し、自ら立ち直っていく人が多いと思います。しかしながら、「新型うつ病」の人には、休養と服薬のみでうつが治ることを強調しすぎると、それに依存してしまうようになります。十分な休養を指示すると、「いくら休養して抗うつ薬を服用しても一向に元気が出ない」と表明するようになっていくのです。
薬物療法では憂うつ感や気分の落ち込みを緩和させ、脳内物質のセロトニンの濃度を高めて精神を安定させていく効果が期待できるものの、薬を服用するだけでは完治させることができない特徴を持っているのがうつ病です。
薬の服用を続けていても、うつ病を発症した原因であるストレスなどの心因的な問題を取り除くことはできません。薬には精神を安定させる効果はありますが、精神の安定を維持するためには心因的な問題を解消していかなければならないのです。
すると治療者は処方変更に躍起になっていくのです。しかし、「新型うつ病」に対する薬物療法の効果は一般に限定的です。当初薬物療法が有効であったように見えても、職場や学校への復帰が近づくにつれて、抗うつ薬の効果が減弱していくことも稀ではありません。
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